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「計算式によるランニングのレベル求め」
内容

 

以下の文は、8年前に作成したときの文をそのまま載せました。


 

 

   はじめに


 よく、ある種目で快記録が出た時、「この記録は、100mでいえば9秒8台の記録に相当する。」など言われたりする。しかし実際の所、何を基準にそのようなことを言っているのか定かではない。また、例えば5000mで16分台が出たとき、400mでは53秒ぐらいいくのか、それとも57秒台ぐらいでしかないのか、そして他の距離ではどうなのか知りたいであろう。
 これを知る最も確かな方法は、記録集によって順位を比較することである。しかし、これだけでは満足できない人もいるのではないだろうか。やはり、種目間のtimeの関係に何らかの法則性があれば、それを見つけてみたくなるものであろうし、そういう科学的発想をこの方面に持ち込んでもいいのではないだろうか。またそうしなければ、前人未到の記録が出た時に正しい評価ができないのではないだろうか。

 これから述べることに対して、もちろん反論があるかもしれない。また、一生懸命努力して出した結果に対して、こんな数式で一蹴されてたまるかという思いもあるかもしれない。しかし、あまりにも経験論がはびこっているこの世界に対して、一石を投じる思いも込めて、敢えてこういう試みを行ってみた。


 


 


目次


§1 レベル計算法までのいきさつ

§2 100m 〜 マラソンについての検討

§3 具体的な計算式の導出

§4 数式によるtimeの計算

§5 応用

 

 




§1 レベル計算法までのいきさつ

 レベルを比較するときに私がよく使っていたものに、記録の比の比較がある。例えば、低レベルな自分の例を取り上げて恐縮であるが、私は400mと800mを中心にやっていて、そのうちレベルが高い方はどっちか知りたかったので、次の方法で較べてみた。

世界記録 自分の記録
400m 43.29 55.8
800m 1:41.73 2:13.1


800mの記録を秒に直して、それぞれ

101.73 133.1

800mの記録の400mへの換算値

   =43.29×(133.1/101.73)=56.639・・・

となり、55.8より悪くなる。この結果より400mの方が私には合っていることが分かる。

 


 ところがこの方法を女子の100m400mに適用してみたところ、

400mの日本記録の100mへの換算値

   =9.92×(53.73/43.29)=12.312・・・

となり、100mの日本記録11.73と大きく食い違うばかりか、1989年度の日本ランキング61位になってしまう。しかし世界記録のバランスがとれてない可能性もあるので、歴代5位について試してみると、

400mの日本記録の100mへの換算値

   =9.95×(53.73/43.98)=12.155・・・

となり、日本ランキング24位(1989年)となってしまい、これは換算式の方がおかしいと見る方が妥当である。

 ところで私は、自分が400mをやっているせいか、400mのそれぞれのtimeが100mのどのあたりに位置するか知るための簡易対応表みたいなものが欲しいと思い、100mの0.1秒に対して400mはその4倍の0.4秒が対応するとして、男子の世界歴代2位ぐらいを基準にとってみた。

 

100m 400m 100m 400m
9.7 43.6 11.7 51.6
10.1 45.2 12.1 53.2
10.5 46.8 12.5 54.8
10.9 48.4 12.9 56.4
11.3 50.0 13.3 58.0

(100m、400mともに手動計時、電気−0.24)

 

結果は上のようになり、実際とずれる。ここで400mの増加を100mの0.1秒に対して、0.5秒として再び表を作ってみると、

100m 400m 100m 400m
9.7 43.6 11.7 53.6
10.1 45.6 12.1 55.6
10.5 47.6 12.5 57.6
10.9 49.6 12.9 59.6
11.3 51.6 13.3 61.6

 

となり、意外な程実際と合っている。ここから私は、timeの比較をする時は、比よりも差の方が良いのではないかと思い、この方向で更に詳しく調べてみようと思ったのである。



 





§2 100m 〜 マラソンについての検討

 

 前章で得られた結果を、ここでは更に全てのランニング種目(障害は除く)に当てはめてみる。そこで基準timeを決めなければならないのだが、基準としては男子の世界歴代5位付近をとることにした。
 理由としては、世界記録だとたまに突出した記録が出たりするが、5位ぐらいならそういうことはないだろうということで、そうした。それなら50位ぐらいをとれば良いではないかと言われるかもしれないが、過去の世界記録の変遷等も考慮に入れやすいので5位にした。
 また、国ごとの記録については、トップ層は国によってある特定種目に力を入れている場合が多いので、基準を世界の方にとった。男子をとったのは、女子よりも歴史が古く、データが安定しているからである。基準は次のようにとった。

 

100m 9.96 1500m 3:30.80
200m 19.85 5000m 13:05.00
400m 44.04 10000m 27:19.00
800m 1:42.85 マラソン 2:07:40

 

ここの数値の5位とのずれは、記録の分布の偏り、過去の記録の変遷等を考えて、自分なりに苦心して調整してみた結果である。不適切な所がないことを祈るのみである。また、混乱を避けるため、記録は全て1989年以前のものとした。

 

<差(秒)> ・・・・・ 自分なりに最も適当だと思うように選んだ。

100m 0.4 1500m 9.0
200m 0.88 5000m 33
400m 1.95 10000m 73
800m 4.5 マラソン 5分50秒

これを各距離の定数αということにする。

次の表においては、1段目から6段目まではα/4、6段目から10段目まではα/2、後はαづつ増えるものとする。

 

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

9.86

19.63

43.56

1:41.72

3:28.55

12:56.75

27:00.75

2:06:13

9.96

19.85

44.05

1:42.85

3:30.80

13:05.00

27:19.00

2:07:40

10.06

20.07

44.54

1:43.97

3:33.05

13:13.25

27:37.25

2:09:08

10.16

20.29

45.02

1:45.10

3:35.30

13:21.50

27:55.50

2:10:35

10.26

20.51

45.51

1:46.22

3:37.55

13:29.75

28:13.75

2:12:03

10.36

20.73

46.00

1:47.35

3:39.80

13:38.00

28:32.00

2:13:30

10.56

21.17

46.97

1:49.60

3:44.30

13:54.50

29:08.50

2:16:25

10.76

21.61

47.95

1:51.85

3:48.80

14:11.00

29:45.00

2:19:20

10.7

21.8

48.7

1:53.9

3:53.1

14:27

30:21

2:22:15

10.9

22.3

49.7

1:56.1

3:57.6

14:44

30:58

2:25:10

11.3

23.1

51.6

2:00.6

4:06.6

15:17

32:11

2:30:60

11.7

24.0

53.6

2:05.1

4:15.6

15:50

33:24

2:36:50

12.1

24.9

55.5

2:09.6

4:24.6

16:23

34:37

2:42:40

12.5

25.8

57.5

2:14.1

4:33.6

16:56

35:50

2:48:30

12.9

26.7

59.4

2:18.6

4:42.6

17:29

37:03

2:54:20

13.3

27.5

61.4

2:23.1

4:51.6

18:02

38:16

3:00:10

13.7

28.4

63.3

2:27.6

5:00.6

18:35

39:29

3:05:60

14.1

29.3

65.3

2:32.1

5:09.6

19:08

40:42

3:11:50

14.5

30.2

67.2

2:36.6

5:18.6

19:41

41:55

3:17:40

 

秒の小数点2桁は電気計時、小数点1桁は手動計時で全て電気計時−0.24秒とした。また、5000m、10000mの9段目以降は、秒の小数点を四捨五入して整数とした。

 

まず、距離が2倍になっているものの間で定数の比を比べてみると、

200m/100m(定数)=2.2
400m/200m( 〃 )=2.22
800m/400m( 〃 )=2.31
100000m/5000m( 〃 )=2.21

これから大雑把であるが、αは距離が2倍になるごとに2.2倍になることが分かる。ここであらためて100mのときのαを1と定義すると、距離が2倍になるごとにαが2.2倍されるとして、

α(200)=1×2.2=2.2
α(400)=2.2×2.2=4.8
α(800)=4.8×2.2=10.6

ここで問題なのは、1500mのように今までのように2倍していってもそうならない距離であるが、これについては次章で述べることにする。

 他に表を見て分かるのは、timeが悪くなる程、距離が長くなるにつれてtimeの割にレベルが低くなっていることである。これについても詳しくは次章で述べる。

 

 


 

 

§3 具体的な計算式の導出

 

 ここでは、前の章で得られたことから、具体的な計算式を導き出してみることにする。まず、距離が2倍になるごとにαが2.2倍になることについてであるが、これは次のように考えれば良い。

200 = 100×2、400 = 100×2^2、800 = 100×2^3 より、距離をXとすると、

X = 100×2^n と表わせ、 n = log2( X/100 ) とできる。

したがって、

α = 2.2^n = 2.2^((log(X) - log(100))/log(2)) = (2.2^(1/log(2)))^(log(X) - log(100))
  =13.7^(log(X) - 2) = (13.7^-2)×(13.7^log(X)) = 5.3E-3 × 13.7^log(X)

※logの底は、10とする

ところで、前章で適当に決めたαと、ここで求めたαを比較してみると、

 

α(適当) α(2.2^n)
100m
200m 2.2 2.2
400m 4.9 4.8
800m 11.3 10.6
1500m 22.5 21.6
5000m 83 85
10000m 183 187
マラソン 875 959

となり、多少のずれを生じていることが分かる。この表から1000m付近をずれのピークと見て、| X - 1000 | という因子を考えてみて、試行錯誤の結果、次のような式をかけることにした。

1 - 6.8E-4 × √( | X - 1000 | )

この後、元の式の数値をやや変えて

α = 5.36E-3 × 13.8^log(X) × ( 1 - 6.8E-4 × √( | X - 1000 | ) )

という式を得た。これを元に再び表を作ってみると、

 

α(適当) α(2.2^n)
100m
200m 2.2 2.2
400m 4.9 4.9
800m 11.3 10.8
1500m 22.5 22.0
5000m 83 84
10000m 183 182
マラソン 875 865

となり、だいぶ近づいた。

 次にもう一方の問題であるが、これは、より距離が長い程、レベルが下がるにつれてtimeの増大が大きいということができ、加速度に相当する考えを用いればよい。したがって、sをレベルを表わすパラメーターとして

α = α0 + β*s

のように表わすことができる。また、距離が長い程この効果が大きいことからβはXの増加関数でなければならない。これは色々試してみた結果、

α = a* ( 1 + b*s )

と表わした時に、bがnに比例することが分かった。そして b = 0.0428*n が得られた。

n = log2( X/100 ) より

b = 0.0428 × log2( X/100 ) = 0.0428 × (log(X) - log(100))/log(2) = 0.142 × ( log(X) - 2 )

また、a = α0 であるから
a = 5.36E-3 × 13.8^log(X) × ( 1 - 6.8E-4 × √( | X - 1000 | ) ) となる。

ここで、§2の差の考え方だと、Tをsに応じたtime、T0を基準timeとしたとき

T = T0  + α*s

となるが、新しく導いたαは変数sの関数α(s)であるから、αとsの積は∫α(s) ds と表わされる。したがってTは、

T = T0 + ∫α(s) ds (s:0→s) と表わされる。これより

T = T0 + ∫α(s) ds (s:0→s) = T0 + ∫a*( 1 + b*s ) ds (s:0→s) = T0 + a*s +(a*b/2)*s^2

となる。

もう一度整理して


 a = 5.36E-3 × 13.8^log(X) × ( 1 - 6.8E-4 × √( | X - 1000 | ) )

b = 0.142 × ( log(X) - 2 )

α(s) = a* ( 1 + b*s )

 T = T0 + ∫α(s) ds (s:0→s) = T0 + a*s +(a*b/2)*s^2

 

 

 


 

 

§4 数式によるtimeの計算


ここでは、得られた数式により実際にtimeを計算してみる。

100m T = 9.96 + s
200m T = 19.85 + 2.206*s + 0.04715*s^2
400m T = 44.04 + 4.874*s + 0.2084*s^2
800m T = 102.85 + 10.82*s + 0.6936*s^2
1500m T = 210.8 + 22.02*s + 1.839*s^2
5000m T = 785 + 84.42*s + 10.18*s^2
10000m T = 1639 + 181.9*s + 25.82*s^2
マラソン T = 7660 + 864.8*s + 161.2*s^2

 

これを元にtimeを計算して下の表にまとめてみた。ただし、表を一段下がるごとにsは6段目までは0.1づつ、10段目までは0.2づつ、後は0.4づつ増えるものとする。

 

s

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

-0.1

9.86

19.63

43.56

1:41.78

3:28.62

12:56.66

27:01.07

2:06:15

0.0

9.96

19.85

44.05

1:42.85

3:30.80

13:05.00

27:19.00

2:07:40

0.1

10.06

20.07

44.54

1:43.94

3:33.02

13:13.54

27:37.44

2:09:08

0.2

10.16

20.29

45.03

1:45.04

3:35.28

13:22.29

27:56.40

2:10:39

0.3

10.26

20.52

45.53

1:46.16

3:37.57

13:31.24

28:15.88

2:12:14

0.4

10.36

20.74

46.03

1:47.29

3:39.90

13:40.40

28:35.87

2:13:52

0.6

10.56

21.19

47.05

1:49.59

3:44.68

13:59.32

29:17.41

2:17:17

0.8

10.76

21.65

48.08

1:51.95

3:49.60

14:19.05

30:01.01

2:20:55

1.0

10.7

21.9

48.9

1:54.1

3:54.4

14:39

30:46

2:24:46

1.2

10.9

22.3

50.0

1:56.6

3:59.6

15:01

31:34

2:28:50

1.4

11.1

22.8

51.0

1:59.1

4:05.0

15:23

32:24

2:33:06

1.6

11.3

23.3

52.1

2:01.7

4:10.5

15:46

33:16

2:37:36

2.0

11.7

24.2

54.4

2:07.0

4:22.0

16:34

35:06

2:47:14

2.4

12.1

25.2

56.7

2:12.6

4:34.0

17:26

37:04

2:57:44

2.8

12.5

26.2

59.1

2:18.3

4:46.6

18:21

39:10

3:09:05

3.2

12.9

27.2

61.5

2:24.3

4:59.9

19:19

41:25

3:21:18

3.6

13.3

28.2

64.1

2:30.5

5:13.7

20:21

43:48

3:34:22

4.0

13.7

29.2

66.6

2:37.0

5:28.1

21:25

46:19

3:48:18

4.4

14.1

30.2

69.3

2:43.6

5:43.1

22:33

48:59

4:03:05

4.8

14.5

31.3

72.0

2:50.5

5:58.6

23:45

51:47

4:18:44


この表に不満のある方もいるかもしれないが、この程度でお許し願いたい。しかし、はじめの時よりはかなり良くなったことと思う。参考までに下に主要記録一覧を掲げておく。

 

世界記録

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

Men

9.92

19.72

43.29

1:41.73

3:29.46

12:58.39

27:08.23

2:06:50

Women

10.49

21.34

47.60

1:53.28

3:52.47

14:37.33

30:13.74

2:21:06

 

日本記録

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

Men

10.28

20.74

44.90

1:47.4

3:38.24

13:22.97

27:35.33

2:07:35

Women

11.73

24.00

53.73

2:04.82

4:15.38

15:38.29

31:54.0

2:29:23

 

早大同好会記録

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

Men

10.89

22.0

48.7

1:52.9

3:58.2

14:50.7

30:53.8

2:24:14

Women

12.9

27.1

59.5

2:25.2

4:52.8

18:23.8

38:44.36

3:13:51

 

 


 

§5 応用

 

§4の式からsに応じてtimeを求めるだけでなく、timeからsを求めて、それから他の種目のtimeを知ることもできる。例えば、私の400mのtime、55.8(電気 56.04)を式に代入して、

56.04 = 44.04 + 4.874*s + 0.2084*s^2 より
0.2084*s^2 + 4.874*s - 12.00 = 0

という2次方程式になり、これを解いてs=2.246が得られた。これから例えばこれに相当する800mのtimeを知るために800mの式に代入して、

T = 102.85 + 10.82*2.246 + 0.6936*2.246^2 = 130.65

で2分10秒65(手動 2分10秒4)であることが分かる。

また、s=0のときのTをT0'とすると、s' = s -s0 とおいたとき

T = T0 + a*s + (a*b/2)*s^2 = T0 + a*(s'+s0) + (a*b/2)*(s'+s0)^2
 =(T0 + a*s0 + (a*b/2)*s0^2) + a*(1+b*s0)*s' + (a*b/2)*s'^2
 =T0' + α(s0)*s' + (a*b/2)*s'^2

となる。このとき | s' | が小さいときは2次の項が無視でき、T = T0 + α(s0)*s' となり、初めに考えた T = T0 + α*s の考えを狭い範囲では適用できることになる。例として、下に s0 = 1.80、s' = ±0.2内での表を示しておく。

 

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

T0'

11.76

24.97

53.49

2:04.57

4:16.40

16:10.00

34:10.00

2:42:19

α(s0)

1.00 2.38 5.62 13.31 28.6 121.1 275 1445

 

 

s'

100m

200m

400m

800m

1500m

5000m

10000m

マラソン

-0.2

11.3

23.3

52.1

2:01.7

4:10.4

15:46

33:15 2:37:30

0.1

11.4

23.5

52.7

2:03.0

4:13.2

15:58

33:42 2:40:00

0.0

11.5

23.7

53.3

2:04.3

4:16.2

16:10

34:10 2:42:20

0.1

11.6

24.0

53.8

2:05.7

4:19.0

16:22

34:37 2:44:40

0.2

11.7

24.2

54.4

2:07.0

4:21.9

16:34

35:05 2:47:10

 

 


 

 

   あとがき

 

 私は今まで述べてきたことで、ランニングの種目間のtimeの関係を数式化することを試みてきた。この中には少々強引な所があっただろうし、事実と食い違うところもあっただろうが、自分としては満足いくものができたと思っている。

 この式を作るにあたって苦労したのは、100m〜800mぐらいまでは、世界、日本、高校、(早大)陸同と男女を問わず大体似た様な傾向(注)を示すが、長距離においては、それぞれの層においてレベルの違いが見られたことである。しかし、自分なりに妥当だと思った基準をとったつもりである。

 それから§5を見て気が付いて欲しいのであるが、| s-s0 | が小さいときは1次式に近似できるということは、逆に3次式、4次式、・・・・ なら | s-s0 | が大きくてもよいということである。これはテーラー展開に他ならないのではないか。すなわち

α(s) = α(s0) + α'(s0)/1!*(s-s0) + α''(s)/2!*(s-s0)^2 +  ・・・・・・
   =+ α(n)(s)/n!*(s-s0)^n +  ・・・・・・

のうちの1次までの項が本題で議論したα(s)ということである。残念ながらここまで立ち入ることはできなかったが、自分でもsが大きくなればなるほど誤差が大きくなっている気がしているので、興味のある方はぜひこの考えを発展させて、より正確な式を作っていただけたらと思う。

 

1990年11月    著者しるす  

 

(注)早大陸同の男子800mは陸同内の他の種目よりかなりレベルが高く、同好会記録が唯一女子の世界記録を越えているばかりでなく、今まで日本100傑に入った種目の半分以上が男子800mである。

 

 


 

参考文献

1988年記録集計号(陸上競技マガジン)
1989年   〃   (    〃     )
1988年度版早稲田大学陸上競技同好会競技成績
1988年度           〃
1988年度版早稲田大学陸上競技同好会歴代ランキング表

 

 

 


 

著者略歴

横内 裕(よこうち ひろし)

    1986年    
    1987年    
    1988年4月
 
神奈川県立生田高等学校卒業
早稲田大学理工学部応用物理学科入学
早稲田大学
現在同大学4年に在籍。所属は中長ブロックなのになぜか専門種目は400m、800mである。

 

 

 

 

計算式によるランニングのレベル求め

 

1990年11月26日      初版発行

 

著者    横内 裕
発行者   横内 裕

定価 希望価格 150円(本体146円)

 

 

 

 

 


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