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修正 - 「計算式によるランニングのレベル求め」
                                  修正日 : 1998. 11. 26

 

冒頭で私の自信作などと言っていて、いきなり修正の話で申し訳ありません。実は色々試してみたところ、どうもsの値が負になったところで、当初の式では不具合があるような感じになってしまい、sが負の時での式を訂正しました。

この式を作った頃は、基準タイムと世界記録との差がそんなに大きくなく、sが負のときについては実際のところ検証することができない状況だったので、あれで良しとしてしまいましたが、あれから8年も経つうちに、200mでマイケル・ジョンソンが19秒32、10000mでゲブレシラシエが26分22秒75など、当時では想像もできないほどの高水準の記録が生まれ、これらに当てはめると、当初の式ではちょっと現状と食い違ってしまうように思えたのです。

この原因を考えたところ、当初の式ではsが負になってからさらに小さくなるほどに、sの2次の項の係数が正であるために、sの変化に対しTの変化が小さくなるためと考えました。これを10000mについてグラフにしてみてみると


graph1.gif (5061 バイト)

 

このようになり、sが−1/b、このグラフでは−3.52(100mで6秒44相当)になったところで遂に飽和タイムの21分59秒に達し、その後はsが小さくなってもTは逆に増えてしまいます。そこで今までαをsについて一律
      α=a*( 1 + b*s )
としていたものを、αがsの絶対値にしたがって増加するよう次のようにしました。
      α=a*( 1 + b*|s| )
このとき、を求める計算式は次のようになります。

      T = T0 + a*s +(a*b/2)*s*|s|

これを元に再び、10000mについてグラフにしてみると

 

graph2.gif (5153 バイト)

となり、sの減少につれてTが増加するということはなくなりました。一応私としては、こちらの方が今までの式よりも現状に合っているのではないかと考えています。

 

それから、8年前にこれを書いたときは、オリンピック種目のみに計算式を適用していましたが、10000mとマラソンとの間にかなり隔たりがありました。実際この頃は、ハーフマラソンなどまだ一般的ではなく、私自身も10kmも走ったこともなかったほどで、この隔たりについてはあまり気にしてませんでした。しかし、現在の自分の状況を考えると、どうもこれでは物足りなく、20km、ハーフマラソン、30kmを加え、さらに3000mも追加しました。それに伴い、基準タイムの見直しも図り、切りがいいようにsが0のときの100mのタイムを10秒00としました。以下、見直した基準タイム一覧です。

 

100m 10.00 5000m 13:07.00
200m 20.00 10000m 27:20.00
400m 44.30 20km 57:30
800m 1:43.50 ハーフマラソン 1:00:30
1500m 3:32.00 30km 1:28:00
3000m 7:34.00 マラソン 2:09:00

 

この基準タイムははっきり言って、私が長年こういう記録とにらめっこしてきた、職人芸的な勘により決めました。しかし、時代による記録の変遷など様々な要素を考慮しているため、ただ単に世界何位の記録を基準に選ぶなどというよりも、よっぽど自信があります。異論もあるかと思いますが、私としてはこのあたりが適当ではないかと考えます。

また、bの値も0.142から0.08へ変更しました。(大学生はマラソンなど長い距離への取り組みが浅いため、トラックに比べてこちらのタイムが遅い割には高レベルになっており、それを元にしたためbの値が大きくなっていた。) 書いてある内容と、実際に計算した値が違うと気付かれた方は、こういう変更があったということを、ここで申し上げておきます。

 

以上、訂正の内容でしたが、もし何かご意見ありましたら、どしどしお教えください。


終わりに、「計算式によるランニングのレベル求め」について、ここで訂正いたしましたが、先に載せた本文については、8年前に書いたものの、そのままの保存としたいので、勝手ながら修正を入れないこととさせていただきます。以上、申し訳ないのですが、ご了承ください。

 

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